シリーズ

「ブラインドサッカー」とは |シリーズ

「ブラインドサッカー」とは

視覚に障がいのある選手らが行うサッカーであり、フットサル(5人制ミニサッカー)をもとに考案されたスポーツです。感覚を研ぎ澄ませ、声や音、仲間を信じる気持ちを頼りにプレーする5人制サッカーで、「見えないサッカー」とも呼ばれています。

基本的には、ゴールキーパーは視覚に障がいがない人もしくは弱視者が務め、それ以外が全盲の選手です。アイマスクを装着し、「シャカシャカ」と音の出る特殊な構造のボールを用いてプレーします。

1980年代初頭に国際ルールが統合され、ヨーロッパ、南米を中心に広くプレーされてきました。日本には、2001年に現在プレーされているルールが上陸しました。その後、急速に普及し、競技人口は2023年5月時点で、健常者も含めて約660人といわれています。

(健常者もアイマスクを装着することで競技に参加することができます。)

「ブラインドサッカー」の名称は、このスポーツの国内での普及を目指している日本ブラインドサッカー協会が名付けました。パラリンピックでは「5人制サッカー/Football 5-a-side」という競技名で、海外では「Blind Football」とも呼ばれています。

「ブラインドサッカーは自由をくれるスポーツだ」ブラインドサッカーについて問われると、選手たちは異口同音にそう答えるそうです。選手は自分の考えで判断し、ピッチを自由に駆け巡ることができます。「見えない」という暗闇の中では、想像力は無限です。選手たちは、仲間の声、ボールの音、相手の気配を感じ取り、視覚以外の全身の感覚を研ぎ澄ませて頭の中にピッチを描き出します。そして、臆することなく全力で駆け出します。ぶつかって、転んでも、立ち上がってボールを追います。ブラインドサッカーには、視覚障がい者が日常では感じることが難しい「動くことの自由」があります。

視覚障がい者と健常者が力を合わせてプレーするため、「音」と「声」のコミュニケーションが重要となります。「コミュニケーションを密に図りながらチームプレーをする」というこのスポーツの特性から、ブラインドサッカーの普及を通じて、障がい者と健常者が共有できるスポーツとして発展することが期待されています。

(2025/01/14)