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「ファクトチェック」とは |ご存じ?Q&A

ファクトチェックとは、インターネットなどのメディアを通じ社会に広がっている真偽不明情報について、事実関係を調査し、真偽や正確性について発表する活動です。世界各国で、伝統的な既存メディア、新興のネットメディア、市民のファクトチェック団体が主体となって活動しており、欧米だけでなく、アジア諸国においても急速に増えつつあり、世界のファクトチェック団体の推移は、2014年に48団体であったのが、2020年には227団体(うちアジア地域は20ヵ国48団体)となっています。

隣国の韓国ではファクトチェックが盛んです。テレビで毎週放送されるファクトチェック番組が人気で、日常的でなじみのあるものになっていますが、一方、日本ではまだまだ一般的であるとはいえません。

しかしながら、SNSなどで誰もが情報を発信でき、爆発的に流通する時代においては、ファクトチェックは言論の自由を守るうえでも欠かせない取り組みになりつつあります。

総務省では、2018年10月にインターネット上のフェイクニュースや偽情報への対応を検討項目の一つとする「プラットフォームサービスに関する研究会(有識者会議)」(プラットフォーム事業者は、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのような巨大IT企業。日本ではヤフーや楽天など)で立ち上げ議論が行なわれ、2020年2月に最終報告書をまとめました。

その報告書で委員からは、

1 フェイクニュースという言葉を安易に使うことの危険性
2 誤情報・偽情報かどうかの判定は容易ではなく法規制になじまない
3 ファクトチェックが世界的に普及している中で日本では担い手が不足し、取り組みが非常に遅れている

などがあげられ、ファクトチェックは民間レベルの多様な主体によって取り組むべきもので、それによって誤情報・偽情報が自然に淘汰されていく社会にしていくべきであるということが報告されました。また、行政側に対しては、民間のファクトチェックが活性化するような環境を整えてほしいとの要望が出されました。

(2022/03/29)