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「世界難民の日」とは |ご存じ?Q&A

毎年6月20日は国連が定めた「世界難民の日」です。この日はもともとアフリカ統一機構のアフリカ難民条約発効を記念する「アフリカ難民の日」でしたが、難民の保護と援助に対する世界的な関心を高め、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)をはじめとする国連機関やNGO(非政府組織)による活動に理解と支援を深める日にするため、2000年12月4日国連総会の決議で制定されました。毎年世界各地で記念のイベントが行われていますが、2013年6月、日本では「信仰が支える難民保護」と題したシンポジウムが開催されました。
難民とは、母国に帰されると迫害のおそれのある人で、その生命または自由が脅威にさらされるおそれのある領域の国境へ追放し、または送還してはならないことが、難民条約などで定められています。2012年UNHCRが援助の対象とした難民・避難民は、4,520万人に上ります。世界の国々の多くが民族問題などの国内課題を抱え、避難する人びとの発生は今後も避けられません。
日本は、1979年からインドシナ難民を受け入れるようになり、2006年の受け入れ事業終了までに、約1万1千人のインドシナ難民を受け入れました。1981年には国連の難民条約(難民の地位に関する条約)に加入しましたが、難民申請者数は多くありませんでした。2004年の入管法改正後、難民申請は急増し、2012年には過去最多の2,545人となりましたが、難民認定数は18人にとどまっています。難民認定基準が厳格である上に、難民認定の審査が長期となり待機期間中の公的支援が不十分なことや、難民として認められても日本語の難しさなどから、経済的・社会的に自立することは極めて困難となっています。
マザー・テレサは「愛の反対は憎しみではなく無関心です」と説きました。「世界難民の日」をきっかけとして、難民のおかれた状況や課題などに関心を持ってみてください。

 

(2014/06/02)