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「人権」って なあに?(4) |“人権”って なあに?

人権とは、「難しい」「固い」

人権とは、と聞いてみると「難しい」「固い」という返事が返ってくることも少なくありません。
まぁ、正直な感想ということなのかもしれません。

確かに私自身も中学や高校時代を振り返れば、人権教育というと体育館に集められて古い映画を見せられて、感想文を書かされるという、あまり楽しい時間ではなかったと思います。
作文だって、「差別はいけないと思いました」といった先生が期待してそうな無難な文章を書いていただけで、本当にそう思っていたのかといわれると、ちょっと自信がありません。
もっとも、これは私の通っていた学校だけがそうだったのかもしれませんが。

人権とは「すべての人」にかかわりがあり、自分自身が国家や権力などから自由を奪われたり、平等に扱ってもらえなかったときに、それに異議をとなえる時の拠り所になる大事なもの。そう思えば、やはり知っておくべきことだと思うのです。
権利がある、それは法律でも定められている、それを知ることは本当に大事なことだと思います。

私たちの社会では、うっかりすると「仕方ない」とか「そんな時代だから」といわれて、人権の侵害が見過されていることもあります。
権利を主張することが、身勝手なことのように言われることさえあります。

そうではない、自分は権利を持っていて、それは「侵すことのできない永久の権利」(日本国憲法11条・97条)なのだと知ることは、その時はそうでもなくても、将来なにかの拍子に権利侵害をうけたとき、声をあげるときの力になるはずです。

もし、「人権」について知ることが、堅苦しい、難しいこととうけとめられているとすればこれまでの「人権」教育が、お勉強になっていて、自分自身の権利に気づく過程になっていないからなのかもしれません。

(2013/05/07)