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(3)「町中にひっそり息づく沖縄」 |大阪のなかの沖縄

大阪のなかの沖縄は、商店街がまるごとコリアというコリアタウンとはまったく様相が異なります。大阪の下町の商店街のなかに沖縄がある、といった感じでしょうか。では、沖縄を探しながら大正区を歩いてみましょう。

JR環状線「大正駅」から市バスに乗って、バス停「平尾」で下車。平尾本通商店街〔サンクス平尾〕へ。商店街の入口にはシーサーが置かれています。
「沢志商店」では、大阪では沖縄ドーナツともよばれるサーターアンダギー、ナーベラー(ヘチマ)やゴーヤー(苦瓜)などの島野菜、沖縄そばや島豆腐など沖縄の食材がところせましと並んでいます。
「仲宗根(源)精肉店」には沖縄料理に欠かせない豚肉が勢ぞろい。「三枚肉」(皮付きバラ肉)や「てびち」(豚足)、「なかみ(中身)」(内臓)、「ミミガー」(耳)が並んでいます。
商店街周辺には、大正沖縄会館、沖縄そば屋、沖縄民謡をライブで楽しめる民謡酒場もあります。また、琉球舞踊、三線(さんしん)の教室、琉球空手の道場、「金城」「具志堅」など沖縄の苗字の表札や門柱にシーサーを置いた住宅が軒を連ねているのもこの辺りです。

地下鉄工事の残土でつくられた標高33メートルの昭和山(市バス停「大正区役所」下車)からは、大正区が一望できます。沖縄の三大名花のひとつ「デイゴ」の花が植えられていて、夏には真っ赤な花を咲かせます。
昭和山を下ると、1984年のロサンゼルスのオリンピック、体操金メダリストの具志堅幸司さん(大正区出身)の顕彰碑があります。バス通りの向かいには、1974年に建てられた県人会の催しなどに使われる大阪沖縄会館があります。

歩き疲れたので、沖縄そばでも食べて帰りましょうね。えっ、飲みたい?
では、そばと泡盛のキープがある店に……。

 

 

(2014/10/06)