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教育への情熱(1)「鉄と革」 |教育への情熱

鉄と革

 

一見なんの関係もないように思われそうな二つの素材。でも両方とも、昔から人びとの生活を支える重要な役割を果たしてきました。

鉄は刃物から鉄鋼産業での大きな資材まで幅広く用いられています。

一方の革は、古くから衣類や日常製品のいたる所で重宝され、今でも私たちの身の回りのいろんなものに使われています。
ところがもっと重要な共通点がこの二つの素材にはあります。特にここ大阪では…まずは、この鉄と革の会社をそれぞれ作り上げた人物をご紹介しましょう。

久保田鉄工所(現・(株)クボタ)を創業した久保田権四郎は、1870年にいまの広島県因島市に生まれました。そして15歳になる年の春、大阪へやって来て、とある商店で修行を重ねます。そして5年後、小さな個人商店を立ち上げ、独立を果たします。これが久保田鉄工所のはじまりでした。

一方、新田帯革製造所(現・ニッタ(株))の創業者である新田長次郎は、1857年にいまの愛媛県松山市に生まれました。
20歳で大阪に来てからは、さまざまな業種を経験して、1885年には新田組(後に新田帯革製造所と改称)という皮革業の会社を立ち上げました。

この会社がのちに、紡績機械などにエネルギーを送る『動力ベルト』として一世を風靡することになる製品を開発します。

年代からわかるように、長次郎は権四郎よりふた回りほど年上です。でも、二人とも若くして、単身大阪に乗り込み数年後には、今も残る会社を作ってしまいました!しかも両方とも同じ大阪市浪速区にあります。

 

(2013/03/18)