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華岡青洲(はなおか せいしゅう) |和歌山人権スポット

交通機関 JR和歌山駅から和歌山線で約40分、名手駅下車、徒歩約20分

華岡青洲の肖像画

 華岡青洲は、麻酔薬を発明し、世界で初めての全身麻酔による乳癌摘出手術に成功した外科医です。青洲は、宝暦10(1760)年に紀ノ川中流域の那賀郡那賀町に生まれ、代々医者の家系であった父のもとで医学を学び、23歳のとき3年間京都へ遊学しました。この遊学時代に麻酔剤「麻沸散」を使って開腹手術をした古代中国、三国時代の医師「華陀(かだ)」の存在を知り、日本の華陀になることを決意しました。

 京都から帰郷した青洲は診療のかたわら麻酔剤の研究に努め、この当時としては新しい「実験」という手法を繰り返し、動物実験の成功後、自らの大切な妻と母を被験者として人体実験を行い、曼陀羅華を主成分とする麻酔薬「通仙散(つうせんさん)」を完成させました。文化元(1804)年には老婦人の全身麻酔による乳癌手術に成功しました。これはアメリカ人医師モートンによるエーテル麻酔の成功に先立つこと40年余の快挙で、青洲の名声は日本全国に轟きました。青洲は診療所と医学校、そして自らの住居を兼ねた「春林軒(しゅんりんけん)」を作り、多くの患者を救うとともに、門下生に医術を教えました。

春林軒(住居兼診療所)

ここがポイント!

地元(和歌山県紀の川市)では、平成9(1997)年に青洲の生家であり病院・医塾であった「春林軒」が移築・復元されるとともに「青洲の里」として整備され、数多くの遺品を展示し彼の業績を紹介しています。

(2014/11/26)