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えせ同和行為に関する対応Q&A集 |えせ同和行為

えせ同和行為対応の手引

平成22年1月 法務省人権擁護局

1 同和関係者を名乗る者から、図書、機関紙、あるいは物品などの購入方の申入れを受けたが購入すぺきか。

*購入するかしないかは自由ですが、商品に対し不相当に高額なものは売買契約そのものの合理性・相当性に疑問があります。
 購入意思がなければ、まずあなたの方ではっきり「購入する意思はない。」と断ってください。
 「予算がない。」などの断り方は望ましくありません。

回答例
「購入の意思はないのでお断りする。」と答える。

2 断っても電話で執拗に購入について要求してきたときはどうすればよいか。

*「購入する意思はない。」とはっきり断っているわけですから無視して構いません(売買契約の締結を断っている者に対し、再度の勧誘は禁止されています(特定商取引に関する法律17条)が、再度断っても執ように購入を迫られる場合には「これ以上要求するのであれば法務局や警察に相談する。」旨回答してください。

回答例
「前にもお断りしたとおり、購入する意思は一切ない。」
「これ以上要求するのであれば法務局などへ相談する。」と答える。

3 相手方が「同和問題に関する図書を持っていない。」「社員に対する同和教育がなっていない。」などと指摘した上で、これらについて「同和に対する差別である。」などと言って「差別」を口実にして言いがかりをつけてきた場合はどうすればよいか。

*相手方は、最初はソフトに「同和問題解決のため」図書を購入されたいと勧誘してくるが、こちらに購入の気持ちがないと分かると上記の発言がなされる場合が多数あります。この場合、公的機関である法務局に指導を受ける旨回答して差し支えありません。

回答例
「○○法務局から同和問題に関する研修を受ける予定である。」「法務局から同和問題に関するリーフレットが送付されてきた。」「研修についても法務局に相談する。」と答える。

4 「同和関係図書を送るから見てくれ。」と言ってきたのではっきりと断ったが、それでも送ってきた。どう対応したらよいか。

*購入意思がなければ、開封する前に宛名書き部分に「受領拒否」と明記し、押印して返送してください。
万が一、受領したとしても開封はしないで着払いで返送してください。(もし開封して図書が傷んだ場合、トラブルの原因となる場合があります)(参考文例1)
返送しても相手方が受領拒否(多くの場合、郵便物の受領拒否)をした場合は、再度内容証明郵便で①再度引取りに来る期日を定め②当方は保管責任は負わない旨を通知してください。(参考文例2)

5 相手方が同和関係図書などを持ってきたので断ったが、それでも「しばらく預かってくれ。」と言って置いていった。どう対応すぺきか。

*着払いで返送してください。(参考文例1)

6 返送する旨伝えたところ「送ると図書が傷むので取りに行くから置いておけ。」と言われた場合にはどうすればよいか。

*14日間保管(送付日時、部数を記録し担当者を決めて保管してください)し、その間に受け取った者が購入の承諾をせず、かつ送付者が引き取らない場合は、送付者の返還請求権がなくなり受け取った者はその図書を処分することができます。
 また、購読拒否の明確な意思表示(引取り方要求)を通知した場合は、7日間で送付者の返還請求権がなくなり処分できます。(特定商取引に関する法律五十九条)
 ただし、そのまま放置しておくと続けて送付されたり「なぜ返さない。」などと言いがかりをつけられる原因となりますので、明確な購読拒否と引取りを要求しておくことが適切です。
 文書によって購読拒否をする場合は、要件のみを簡潔に書き、内容証明郵便か配達証明郵便で通知してください。
 期日経過後、言いがかりをつけてきた場合は刑法犯に該当する場合がありますので、そのときは直ちに最寄りの警察に連絡してください。あるいは弁護士に立会いをお願いするのも一方法です。
 なお、相手方との問答はテープに録音することが望ましいですが、それができないときは必ずメモを取って保管しておいてください。

(注)受け取った者が事業者である場合には適用されない場合がありますので、詳しくは消費者センターの相談窓口などにお問い合わせください。

7 不本意ながら「買います」と言った場合はどうすればよいか。

*本来、訪問販売や電話勧誘販売を行う事業者は、申込みや契約の内容を記載した書面を消費者に交付しなければなりません(特定商取引に関する法律四条、五条、十八条、十九条)が、相手方は「口約束でも契約だ。」と主張して支払を要求する場合があります。
 相手方の要求に屈し「買います。」と不本意に言ってしまった場合、又は買うと約束したが、撤回したい場合はクーリング・オフという制度によって契約の撤回ができます。
 この契約の撤回は、書面により行うこととされていますので、次の事項を明記して簡易書留か内容証明郵便で郵送することにより契約の撤回をすることができます。(参考文例3)
   (1) 契約(約束)をした日付
   (2) 相手の住所・氏名(団体名)
   (3) 図書名と金額
   (4) あなたの住所・氏名・電話番号
   (5) 「図書購入の契約(約束)を解除します」
   なお、郵送した書面についてはコピーをとり、保管しておいてください。

(注1) このクーリング・オフは、申込内容又は契約内容を明示した書面の交付を受けてから8日以内にする必要がありますが、その書面の交付を受けていない場合など(電話での勧誘の場合は書面の交付がされていない場合が多いようです)には、いつでもクーリング・オフができることになります。(特定商取引に関する法律九条(訪問販売の場合)、二十四条(電話勧誘販売の場合))
(注2) クーリング・オフ制度は、事業者が営業活動などに関連して行う取引などには適用されない場合がありますので、詳しくは消費者センターの相談窓口などにお問い合わせください。

8 同和を名乗る者から「工事を請け負わせろ。」「仕事を回せ。」と再三押しかけてくる(電話をしてくる)がどのように対応したらよいか。

*基本的には1、2の対応と同じです。契約するかしないかはあなたの自由ですが、契約意思がなければきっぱりと断ってください。「考えてみます。」「検討する。」など相手方に期待を抱かせる発言は絶対にしないでください。同和の名を使用しての強要であれば「えせ同和行為」であるので、きっぱりと断ってください。
 また、暴力をちらつかせるものについては、直ちに警察に連絡してください。そのような場合には、警察も出動することについて法務局と警察との間で話合いができています。

回答例
「決定しているのでお断りします。」と答える。
 また、「かねてからこのような場合には法務局に相談するよう指導を受けているから、法務局に相談したところ『決定しているならば断りなさい』と指導されているので、この指導に従ってお断りする。言うことがあれば法務局に言って欲しい。」と答える。

9 同和を名乗る者から、「金を出せ。」と明らかには言わないが、「善処しろ。」「誠意を見せろ。」と押しかけてくる(電話をしてくる)がどのように対応したらよいか。

*相手方が執ように同じ言動をとる場合は「具体的にどういうことですか。」「どうしたらよいのですか。」と相手方に質問し、「誠意」の内容を確かめてください。
 内容不明で言いがかりと思われる場合には、「はっきりしなければ対応のしようがない。」ときっぱり断ってください。
(注) 内容が判明し不当なときは、11の例によって対応する。

10 監督官署に言いつけると言っているがどうか。

「それは困ります」などの発言は絶対にしないでください。
 監督官署を利用するとのことについては、中央に国の全省庁で構成している「えせ同和行為対策中央連絡協議会」があり、また各法務局一地方法務局にも同様の連絡会を作って監督官署が横の連絡をとりながら「えせ同和行為」の排除に取り組んでいるので心配は不要です。
 法務局からあらかじめ監督官署に電話しますので監督官署の名前と所管課を教えてください。

11 相手方が社員などの言動を取り上げて「差別した。どうするのか。」「差別した。糾弾するぞ。」と言ってくるがどうしたらよいか。

*あなたに相手方の要求に応じる意思がないのであれば、相手方から何を言われてもその要求に応じる必要はありません。相手方から「差別した。」などと言われたとしても、法務局に相談するなどと伝えてきっぱり要求を断ってください。

回答例
「こちらの対応が差別に当たるかどうかについては法務局に相談したい。これ以上言うことがあるならば法務局に言ってほしい。」と答える。

12 「○月○日××時ころ面会に行く。」と言ってきたがどう対応すればよいか。

*あなたの方で面会の意思がなければはっきりと断ってください。
 断っても埒があかないときは、あらかじめ最寄りの警察に相談してその時刻に巡回してもらうか、あるいは聚急の場合の出動を依頼しておいてください。
 また、弁護士に依頼して立会いをしてもらうことも考えられます。
 なお、話合いの際はその様子を録音することも良い対応です。ただし、隠し録ることはそのこと自体がトラブルの原因となりますので注意してください。録音する場合は、相手方に分かるように堂々と録音機を据えてテープに録音しておくことがベターです。録音するということのみでも「えせ同和行為」に対する威力は十分にあります。また、少なくとも必ずメモを取って保管するようにしておいてください。

(2012/11/28)