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えせ同和行為に関する知識 |えせ同和行為

【同和問題とは】

 我が国社会の歴史的発展の過程で形づくられた身分階層構造に基づく差別により、日本国民の一部の人々が長い間、経済的、社会的、文化的に低い状態に置かれることを強いられてきました。これらの人々は、今なお結婚を妨げられたり、就職で不公平に扱われたり、その他日常生活の上でいろいろな差別を受けることがあります。これが「同和問題」と言われるもので、「部落問題」、「部落差別問題」などとも言われ我が国固有の人権問題です。

【えせ同和行為とは】

 「同和問題はこわい問題であり、できれば避けたい」との誤った意識を悪用して何らかの利権を得るため、同和問題を口実にして企業・行政機関等に「ゆすり」「たかり」などをする行為が「えせ同和行為」であり、国民に同和問題に対する誤った意識を植えつける大きな原因となっています。
 その場しのぎの安易な妥協や恐怖心などから不当な要求に応じる例も見受けられ、これらはえせ同和行為の更なる横行を許す背景ともなっています。
 同和問題は、国民の基本的人権に関する重要な課題のひとつであり、人権擁護機関をはじめ多くの人びとが、その解決のため長い間様々な啓発活動を行ってきました。ところが、えせ同和行為は不当な要求を受ける人びとの人権を侵害しているのみでなく、国民の間に同和問題に対する誤った意識を植えつけ、新たな差別意識を生む大きな要因となっており、多くの人びとが積み重ねてきた啓発活動の効果を一挙に覆すものであり、部落差別解消への道に逆行する行為といえるものです。

【排除の対象一目的は】

 えせ同和行為排除の対象となるのは、「当該行為そのもの」です。団体ではありません。
 また、えせ同和行為をする者がどのような団体に所属するかも問いません。同和問題を口実にこのような行為をする者は、もはや同和問題の解決を語る資格はありません。
 不当な要求に対しては、き然とした態度で臨み、つけ入るすきを与えないことが肝要です。
 えせ同和行為排除の目的は、当該違法・不当な行為の排除と同時に新たな差別意識の発生を防止し、同和問題を解決するところにあります。
 真に差別のない平和で住みよい社会の実現のため、国民一人ひとりが責任と勇気を持ってえせ同和行為の排除のために取り組むことが必要です。

【えせ同和行為の態様について】

 具体的な要求としては、機関紙・図書等の購入の強要、寄附金・賛助金の強要、下請への参加強要、融資の強要などさまざまな形態があります。全国の6000事業所を対象として、2008年中にえせ同和行為による何らかの要求を受けたかについてアンケート調査を行ったところ、回答した3001事業所のうち16.1%に当たる482事業所が「受けた」としています。要求の種類として最も多いのは「機関紙・図書など物品購入の強要」で、要求の手口としては「執ように電話をかけてくる」との回答が回答事業所の半数以上を占めています。

※ 法務局では、えせ同和行為に関するご相談にいつでも応じております。

(2012/11/30)