案内板

ホロコースト記念館 |人権施設情報

ホームページ http://www.urban.ne.jp/home/hecjpn/
郵便番号 720-0004
住   所 広島県福山市御幸町中津原815
電話番号 TEL./FAX.084-955-8001
開館時間 午前10時30分~午後4時30分
休館日 日・月・祝日、8月13日?16日、12月27日?1月5日
入館料 無料  (団体の訪問は予約をしてください)
交通機関 ①JR福山駅から、福塩線横尾駅下車、徒歩20分、または中国バス6番乗り場(府中行き)横尾下車、徒歩15分、またはタクシーで15分
②山陽自動車道で福山東IC下車、東城方面へ。または中国自動車道で東城IC下車、福山方面へ

  外観写真
ホロコースト記念館からの提供

 ホロコースト記念館は、日本最初のホロコースト教育センターとして1995年6月、広島県福山市に開設された。
 そのきっかけとなったのが1971年、大塚館長が団体旅行中旅先で偶然アンネの父オットーフランク氏と出会ったことに由来する。その翌年、オットー氏から贈られた「アンネの形見のバラ」は現在記念館の子どもグループ、スモールハンズによって接木され、全国の学校などに贈呈されている。オットー氏は晩年、「ホロコーストで犠牲となったアンネたちをはじめ、150万人の子どもたちにただ同情するだけではなく、平和を作り出すために何かをする人になってください」との手紙を送り、この氏の願いに応えて記念館は開設された。

  館内展示の写真
ホロコースト記念館からの提供

2007年には新館が完成、移転し、開館以来18年で、12万3千人の訪問者を得ている。その入場者の半数は子どもたち、また学校の先生たちである。
 さて記念館の展示は、日本の子どもたちがホロコースト(ナチス・ドイツによるユダヤ人600万人の大虐殺)の事実を知り、
①当時の犠牲となった子どもたちの姿や、その中で抱いていた希望に思いをはせ、
②「なぜ、このような悲劇が起こったか」を考え、
③全ての人間に等しく与えられている権利や、命の尊さを学び、
④平和をもたらすために、何ができるか、
を考えるように工夫されている。
 展示の高さは低くされ、できる限り当時の子どもたちの写真や、証言のことばで表現されている。
 世界40カ国から寄贈された200枚の写真、貴重な数十点の実物資料は雄弁に、歴史の事実と平和の尊さを物語っている。展示の中でぜひ見ていただきたい物は、収容所で残された15センチの靴とアウシュビッツで使用された囚人服、そしてアンネ・フランクの隠れていた部屋の再現である。
 一見民主的な手段(選挙、法律、会議)を経て、虐殺が組織的、計画的に行われたプロセスにも注目してほしい。また一人の外交官杉原千畝が、その時代に成し遂げた素晴らしい事実も知ってほしい。特に6000人の命を救った彼の勇気ある行動は、日本人にとって身近に共感できる学びである。
 さて、この文明国から始まったホロコーストは、ヨーロッパ・ロシア地域(現在では約30力国)に広がった。それは、かたよった教育、一般市民の沈黙、当時の世界諸国の無関心によると言われている。ホロコーストは、今を生きるすべての人が学んでほしい未来につながるテーマである。ここを訪れる日本の子どもたちが、ホロコーストの学びを通して広い視野や、寛容な心を育ててほしいと願っている。

(2013/05/21)