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「若者雇用促進法」とは |ご存じ?Q&A

「若者雇用促進法」は、正式名称「青少年の雇用の促進等に関する法律」といいます。
青少年の雇用の促進などをはかり、能力を有効に発揮できる環境を整備するために、青少年に対して適切な職業選択の支援に関する措置や職業能力の開発・向上に関する措置などを総合的に行えるよう、2015(平成27)年10月1日から順次施行されました。
本稿では、企業が対応を求められる条文を紹介します。
2016(平成28)年3月1日より施行された法第13条・第14条において、青少年雇用情報の提供として、青少年が適切に職業選択を行い、安定的に働くことができるように、応募者などから求めがあれば職場情報を提供することが義務づけられました。
具体的には、つぎの(ア)~(ウ)の3類型それぞれについて1つ以上の情報提供が義務となっています。

(ア)募集・採用に関する状況
過去3年間の新卒採用者数・離職者数
過去3年間の新卒採用者数の男女別人数
平均勤続年数
※(ア)の参考値として、可能であれば平均年齢についても情報提供。

(イ)職業能力の開発・向上に関する状況
研修の有無及び内容
自己啓発支援の有無及び内容
メンター制度の有無
キャリアコンサルティング制度の有無及び内容
社内検定等の制度の有無及び内容

(ウ)企業における雇用管理に関する状況
前年度の月平均所定外労働時間の実績
前年度の有給休暇の平均取得日数
前年度の育児休業取得対象者数・取得者数(男女別)
役員に占める女性の割合及び管理的地位にある者に占める女性の割合

職場情報を求める手続きとしては、採用ページでのプレエントリーの際に企業側に尋ねるほか、書面や電子メールで、何を知りたいか希望を直接伝えることもできます。ハローワークや大学のキャリアセンター(就職課)が扱っている求人に関しては、その組織を通して企業側に伝えることもできます。
また、厚生労働省では企業側に、情報提供を求めた者に対して「不利益な取扱い」をしないことを求めています。
この法律は、若者が安定した雇用の中で経験を積みながら職業能力を向上させ、働きがいを持って仕事に取り組んでいくことができる、全員参加型社会を築くことを目指した法律です。

(2018/09/07)