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「デフリンピック」とは |ご存じ?Q&A

デフリンピックは、4年に1度、世界規模で行なわれる、ろう者(聴覚障がい者)が運営する、ろう者のための総合スポーツ競技大会です。デフリンピックとは、「ろう者(Deaf)+オリンピック(Olympics)」の造語で「ろう者のオリンピック」という意味です。夏季大会は1924年にフランスで、冬季大会は1949年にオーストリアで初めて開催されました。

現在では、夏季21、冬季5、合計26競技が公式競技として採用されています。2017年にサムスン(トルコ)で開催された第23回夏季大会には86カ国・地域、2,858人が参加しました。日本は10競技に177人(選手108人、スタッフ69人)の選手団を派遣し、金メダル6、銀メダル9、銅メダル12、合計27のメダルを獲得しました。

参加資格として、声の聞き取りを補助するために装用する補聴器や人工内耳の体外パーツなど(以下「補聴器など」という)をはずした裸耳状態で、聴力損失が55デシベルを超えている者であることが要件とされています。競技場に入ったら練習時間か試合時間かは関係なく、補聴器などを装用することは禁止されています。選手同士が耳の聞こえない立場でプレーするという観点によるものです。

競技は、スタートの音や審判の声による合図を視覚的に工夫する以外は、オリンピックと同じルールで運営されています。競泳では、スタートの合図を赤、黄、青の順に光る3つのランプで示します。赤から黄、そして青になった時がスタートです。ターンをする種目では、最後のターンをする際、審判が水を棒でかき回して知らせます。バスケットボールでは、ゴールのバックボードが光り、審判の笛を知らせます。このように視覚的に工夫された合図には、障害者差別解消法でうたわれている「合理的配慮」に応用できるものがたくさんあります。

障がい者の総合スポーツ競技大会としては、パラリンピックが2020年に東京で開催されることもあって、注目されるようになってきています。
デフリンピックについても、もっと多くの人の関心が集まることを期待しています。

(2019/11/05)