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ヘルプマークとは、外見上健康に見えても援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう考案された東京都福祉保健局作成のマークです。
デザインは、赤色の下地に白の「+」と「♡」を組み合わせたもので、赤色は危険や困難を抱えていること、「+♡」は助けを必要としていることを表しています。
2012年に東京都で配布が始まったヘルプマークは、2021年10月には、すべての市区町村ではありませんが、全都道府県が配布・普及活動を行っています。また、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けて案内用図記号(ピクトグラム)に関するJIS規格の改正が行われ、ヘルプマークも新たに追加されました。
ヘルプマークは行政機関の障がい福祉窓口などで配布されていますが、障がいや疾患についての基準があるわけではなく、例えば義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、妊娠初期の方、精神疾患・知的障がいをお持ちの方など、援助や配慮を必要としているすべての方が配布対象となります。電車やバスの中で「席を譲ってもらうためのもの」というイメージの強いヘルプマークですが、このマークを身に着けていることで、緊急時(外で倒れた時、事故に巻き込まれたときなど)に適切な対処が受けられるようになります。
ヘルプマークの問題点としては、
①認知度が低い ・・・ マークを付けていても、周囲の人がそのマーク自体を知らなければ意味がありません。援助が必要な方たちの負担を減らすためにも認知度を向上させる必要があります。
②外国人にわかりにくい ・・・ 赤字に白の「+♡」のデザインはスイスの国旗に類似していること、また日本独自のものであることから、海外の人にはわかりにくいマークとなっています。
今まで「マタニティマーク」や「ハートプラスマーク」など、ヘルプマークが公表される以前から似たようなマークがあり、これらはどれも「見えない困難を抱えていることを周囲に知ってもらう」ことを目的としていました。しかし、ヘルプマークが全国的な取り組みとなったことでこれらのマークが統合され、導入地域の拡大や認知度の向上が進み、さらにその理解の浸透が広まることが期待されます。
(2023/12/26)