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「アルコール依存症」とは
この言葉を聞くと、
・「依存症になるまで飲むなんて」
・「その人自身がだらしないから」
・「意思が弱いことが原因でお酒に頼るのでしょう」
などと、本人の自己責任、道徳心のない人がなるもの、と軽蔑の念を抱きがちです。 「キッチンドリンカー」というワードを思い出す方もいるかもしれません。
しかし、アルコール依存症は、自分の意思ではお酒の飲み方(飲む量、飲む時間、飲む状況)をコントロールできなくなる精神疾患のひとつであり、いわゆる「病気」です。
アルコール依存症になると、飲みたい気持ちが抑えられなくなり、飲酒中心の生活となって、仕事や家庭や人間関係に支障を来たします。最悪の場合は、生活が破綻したり、深刻な合併症、例えば癌や心筋梗塞などを発症し、死に至ることも稀ではありません。
アルコール依存症は、「快」の感情を求めて飲酒し、イライラ、抑うつ、集中困難や不眠などの「不快」や 「不満」の気持ちを避けるために、再び飲みたいという欲求に駆られる、悪循環を繰り返す病気です。
アルコール依存症になると、気の持ちようだけではお酒を止めることはできません。 しかし、適切な治療で改善・回復することは可能です。アルコール依存症は、精神疾患の中でも罹患率が高く、 個人の性格や意思にかかわらず、誰もがかかる可能性がある「病気」です。WHO(世界保健機構)はアルコール 乱用・依存の未治療率は78%であると推計しています。これはさまざまなストレスを抱える現代社会において、 「治療ができる病気」という正しい理解が十分に浸透していないことが要因と考えられます。
厚生労働省等の調査によると、アルコール依存症の患者数は日本国内で80万人以上とされており、 その予備軍も含めると約440万人にものぼると推計されています。
アルコール依存症の原因は、
・遺伝
・心理的要因(不安、トラウマ、低い自己肯定感など)
・環境的要因(家庭環境、職場環境、社会環境など)
・社会的要因 (職場でのストレス、社会的な孤立、経済的な問題など)
等、さまざまな要因が複雑に絡み合って生じるため、家族や周囲が医療機関とも連携し、社会全体で支える仕組みの強化が求められます。
アルコール依存症は冒頭で述べたように「誰でも罹患しやすい病気」であり、その当事者や家族に対する軽蔑の念を抱いたり、差別的な発言をすることは許されません。依存症を正しく理解し、復帰や自立を支援していける、 安心して暮らせる社会を築いていくことが重要です。
(2025/07/24)