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「カラーバリアフリー」とは |ご存じ?Q&A

近年、日常生活のさまざまなところで、見やすさ・心分かりやすさ見栄えのよさなどの観点からカラフルな色による表示が増えていますが、色の感じ方が自分と異なる方がいることや、自分にとって区別しやすい色が逆に区別しにくい方がいることを意識したことはありますか。最近、誰にとっても分かりやすい色使いや表示方法にする「カラーユニバーサルデザイン(またはカラーバリアフリー)」という言葉が注目されています。

人間の目の網膜には、赤・緑・青色をそれぞれ感じる視細胞がありますが、この細胞の色に対する特性や分布数などは人によって異なっています。ひとりとして同じ色を感じている人はいないと言われています。これは人類の色に対する多様性でありいずれかが正しいとか異常あるいは障がいというべき物ではないのです。現在眼科では「色覚検査」を行って一定の色覚タイプを「色覚異常者」行政では「色覚障がい者」と呼んでいました。近年は「色弱者」と呼ぶことが多くなってきました。その割合は、日本人男性では約20人に1人の割合です。

色弱者の色の感じ方は色覚タイプによって異なりますが、赤と緑、橙と黄緑、ピンクと水色、紺と青紫、青緑と灰色などトーンが似た色が見分けにくい特徴があります。また濃い赤が黒と見分けできない事もあり会議やプレゼンテーションにおける資料の説明において、たとえば「赤の折れ線グラフをご覧下さい」と説明しても、どの線を指しているのか分からない方がいるということです。

社内での会議や研修のみならず掲示や配布を行うときは、色弱者がいる可能性があることに常に配慮し、誰にでも分かりやすいユニバーサルな色彩表現に努めたいものです。具体的には「誰にでも分かりやすい色を使う」ことが最も重要で次に「色だけに頼った情報提供をせず、色無しでも必要なことが理解できるようにした上で副次的に色を添える」ことが基本となります。

最近、行政機関・研究機関などが、カラーユニバーサルデザインに関する研究調査結果をガイドブックやホームページなどで公表し、どのような注意が必要か、どのような工夫をすればよいか分かりやすく説明していますので、人権が尊重された職場作りの一環として社内展開してはいかがでしょうか。

(2012/11/22)