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「女性活躍推進法」とは |ご存じ?Q&A

「女性活躍推進法」は、女性の職業生活における活躍を推進し、もって男女の人権が尊重され、急速な少子高齢化の進展、国民の需要の多様化や社会経済情勢の変化に対応できる豊かで活力ある社会の実現を目的に、2015年8月に制定(同年9月施行)されました。正式には「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」といい、10年間の時限立法となっています。
この法律では、国は女性の職業生活における活躍の推進に関する基本方針を策定することが定められました。また、地方公共団体は国の基本方針を勘案して、当該区域内における女性活躍の推進計画の策定に努めること(努力義務)が定められました。

さらに、301人以上の労働者を雇用する事業主には、2016年4月1日から女性の活躍推進に向けたつぎのような項目の実施が義務づけられています(労働者300人以下の民間事業主は努力義務)。

◆女性採用比率、勤続年数男女差、労働時間の状況、女性管理職比率など、自企業の女性の活躍に関する状況の把握と改善すべき事情についての分析
◆自企業の状況把握・分析をふまえて定量的目標や取り組み内容、実施時期などを盛り込んだ事業主行動計画の策定・届出・企業内周知など
◆ホームページなどでの女性の活躍に関する情報の公表

数値目標を法律で定めることは見送られましたが、企業は採用者に占める女性比率や勤続年数の男女差、管理職に占める女性比率などを必ず把握し、課題を分析する必要があります。2015年に世界経済フォーラムが発表した各国の社会進出における「ジェンダー・ギャップ指数(男女平等指数)※」では、日本は145か国中101位となっています。特に、国や地方の議員、企業の取締役や管理職に占める女性の割合が先進国のなかでは大変低い水準となっています。

このような状況の中、内閣府男女共同参画局は、あらゆる分野で指導的地位に占める女性の割合を2020年までには30%程度にする目標を掲げています。「女性活躍推進法」のもと、男女共同参画社会の実現に向け、国や地方公共団体、企業による積極的な取り組みが一層求められています。

(※)「ジェンダー・ギャップ指数」
各国の社会進出における男女格差を示す指標。世界の企業や団体が加盟する非営利の公益財団である世界経済フォーラムが毎年発表しており、経済活動や政治への参画度、教育水準、出生率や健康寿命などから算出されています。

(2016/06/20)