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(3)─ウーマン・リブの広がり─ |ウーマン・リブ再考

1970年10月21日。
国際反戦デーの日、女性だけのデモ隊が銀座を練り歩きました。
デモ隊が掲げている旗には「ぐるーぷ・闘う女」の文字。翌日の朝日新聞で大きく報道されたことにより、このデモが日本のウーマン・リブの始まりとされました。

そして、1971年の8月21日から24日、「ぐるーぷ・闘う女」や「エス・イー・エックス」らが中心となり長野県で第1回リブ合宿が開催されました。
合宿に参加したのは、北は北海道から南は九州まで10代~40代の女性約300人。

メールやツイッター、フェイスブックなどがない時代、300人もの女性が集まるなんて本当にスゴイことです。
新聞に掲載されていた小さな記事を見て、ミニコミ誌やビラ、口コミ。女性たちは積極的に行動して、情報を得て合宿に参加したのです。

その後、1972年5月5日から7日の東京での第1回リブ大会、同じ年の9月にはリブ新宿センターの開設と女性たちの勢いは止まりません。

もちろん、リブの活動は東京だけでおこったのではありませんでした。
北海道から青森、静岡、名古屋、関西、中国地方、九州・・・。
日本各地にリブのグループが誕生し、リブの波は全国に広がっていきました。

今のように“便利”ではない時代だからこそ、なんとかして人とつながりたい、同じ気持ちをもった女性に会いたい、同じ思いの女性に自分の気持ちを聞いてもらいたい。
女性同士で何か行動したい。
そんな女性たちの切実な思いが、リブの運動を大きく動かしたのかもしれません。

リブのテーマをざっくりと言うと、「女性の性と生の解放」であったと思います。
そして、「自分自身」をまるごと受け止める。
いろんな矛盾や感情をもった、「総体としての女=自分」を見つめること。

(2014/08/04)