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人権とは「やさしさ」「思いやり」
人権とは、と尋ねると、「大切なもの、やさしさ、思いやり」といった抽象的な言葉が返ってくることも多いです。
学校などの課題でつくられる「人権ポスター」などでは、そのイメージが顕著です。
例えば、手をつないだ多くの人が地球を囲んでいる絵、ハートマークと握手、虹と笑顔…。
人権というと、こうした暖かい、ほんわかしたイメージで表現されがちです。
ですが、権利というものは、そのようなものなのでしょうか。
例えば、自由権は国家から制約や強制されることなく自由に考えたり行動できる権利のことをいいます。
強大な力を持った国家と対峙し、その強制を跳ね返す拠り所となるものが「権利」です。
歴史を振り返れば、国家や強大な権力の前に自由を奪われた人が少なからずいたことは明白です。
現在の私たちが持っている権利は、これまでの歴史のなかで、例えば国家や行政、雇用主といった「強い権力」を持った相手と向き合ってきた「弱い」人たちによって勝ち取られたものです。
憲法で権利について語るときには「試練」「不断の努力」といった厳しい言葉が飛びだしてきます。
権利のもつそうした側面を知ると、ほんわかしたイメージにはどうしても違和感を感じてしまいます。
(2013/05/07)