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「人権」って なあに?(2) |“人権”って なあに?

「すべての人が持っている基本的な権利」

人権とは、「すべての人が生まれながらにもっている基本的な権利である」。
これは教科書などに出てくる表現ですから、「人権とは?」と学校の公民などのテストでだされた時の回答なら、これは正解ということになるでしょう。

ですが、これにはいくつかの問題があるような気がします。
「すべての人が生まれながらにもっている」のはいつからか。
これは、人権の歴史をひもといていけば、そんなに古くからのことではありません。

権利が認められない状態から、権利を獲得するための長い歴史があって、その結果として私たち「すべての人」は権利をもっているのです。
日本国憲法の97条には「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」であるとはっきり書かれています。

だからこそ、「過去幾多の試錬」に堪えて守られてきた権利を、私たちは「現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されているのです。
「信託」とは、「信用して任せること」。
私たちはその信頼を裏切ってはいけません。

憲法の12条にあるように、自由と権利は「国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」のです。
「すべての人が生まれながらにもっている基本的な権利」、その「すべての人」のなかに自分自身は入っているでしょうか。

 

(2013/05/07)