シリーズ

(3)「優生思想・障害・女性」 |優生思想と私たち

?  刑法・堕胎罪の撤廃を求めて活動しているSOSHIREN(※1)の米津知子さん。

				

1972年の優生保護法改悪に反対する運動のときから、優生思想の問題に関わり続けてこられました。
また、ウーマンリブの時代から女性運動に取り組んできた米津さんは、ポリオ(※2)の障害ももっています。


中絶の許可条件から経済的理由を削除し、胎児条項を導入しようとした優生保護法改悪ですが、当然女性運動も障害者運動も反対していきました。そこで一つの問題が起こります。


				

国家による、女性の体を通した人口の管理に反対するため、「産む産まないは女が決める」と主張した女性運動に、「胎児に障害があると分かって中絶を選ぶ場合も女性の権利なのか」と障害者たちが意見を突きつけたのです。


米津さんは、女性差別と障害者差別が互いに結びつきながら、それが優生思想を支えている構造に目を向けることの必要性を訴えます。


				

お互いが対立させられることなく、差別の重さ比べや後回しがなされることもなく、女性の解放のためには障害者の解放が、障害者の解放のためには女性の解放が必要だと主張しています。


私はこの米津さんの主張に大きな影響を受けてきました。優生思想を考えるとき、ジェンダーなどの問題を抜きに考えることはできないと気づかされたのです。


				

※1SOSHIREN女(わたし)のからだから からだと性の法律をつくる女の会
※2:ポリオ(脊髄性小児マヒ) : 乳幼児期にポリオウィルス感染による急性脊髄灰白髄炎のことで脊髄性小児マヒとも言われています。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(2014/11/04)