シリーズ

「人権」って なあに?(1) |“人権”って なあに?

「人権のイメージ」

人権というと何をイメージしますか?
こういう質問をすると帰ってくる答えにはいくつかのパターンがあるようです。

部落問題、障がい者など差別に関わる問題。
「すべての人が生まれながらにもっている基本的な権利」といった教科書的には非常に「正しい」答え。
自由や平等といった概念。大切なもの、

やさしさ、思いやりといった抽象的なもの。
そして「難しい」「固い」といった印象。

「人権」に、こうした多様なイメージがあるのに驚かされる一方で、こういう「人権」ってどうなのだろうと思ったりもしてしまいます。

例えば、人権といって部落問題や障がい者といった差別問題を思い浮かべる場合。
差別の問題を「人権問題」と表現されることがあるのも関係があるかもしれません。
また、これまでの人権教育が、部落問題など差別問題を中心に実践されてきたという歴史があるのかもしれません。
もちろん、差別は人権の侵害ですし、それを解決することは人権について考えるうえでも重要な課題です。

しかし、その一方で、すべての人が持っているはずの「人権」なのに、差別されている人だけの問題のように受けとめられていないでしょうか。

学校などで話をすると、「人権」が人ごとのように受けとめられてしまうことがあります。
その背景には、すべての人が持っているはずの「人権」について考えることが、自分に関わる問題として受けとめられていないことがあるのかもしれません。

(2013/05/07)