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「女子教育のはじまり」(1) |女学校と乙女文化

近代の女子教育について少しお話をします。
近代の女子教育、どうして始まったのかといいますと、「良妻賢母」を育成するという大きな目標があったのです。「“良妻賢母”って、江戸時代からの女性の生き方じゃないの?」と思っているあなた。実は、ビミョウに違っているのです。

江戸時代というのは、身分社会でしたので、女性全体についてそうだとはいえない部分もあるのですが、
例えば武士などの身分の女性は、“良妻”という生き方が求められました。

『女大学』などの書物をみると、父や母、舅(しゅうと)姑(しゅうとめ)、夫に“従順に”仕える“良き妻”であることが女性の生き方として書かれています。
「んっ?子どもを育てるのは?」と思いますよね。実は、当時の女性は愚かであるとみなされていたので、とくに跡取りなどの男子を育てられないと考えられていたのです。まあ、簡単にいえば、女は子ども(男子)を産むだけ、ってみなされていたわけです。

しかし、近代になると、女性の役割に子育てが追加されました。ですから、「愚かな女性に、国の未来を担う子どもの教育がまかせられるか!」「だったら、女子を教育しよう」ってカンジで女子教育が始まったのです。

 

(2014/05/07)