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焼肉・ホルモン文化と在日コリアン(2) |よくわかる人権講座

「肉の切り方にまつわるあれこれや…」

前回は、在日コリアン三世の私の家の「焼肉の日」について書きました。
今回も、その続きから。

私は、焼肉屋で出される肉の厚みにこだわる人間です。分厚くスライスされた肉をさっと炙り、中心部分にはすこし赤身が残っているぐらいのところを、ガブッと噛みしめ、ジワ~っとあふれ出す肉汁を味わうことが、焼肉の醍醐味なのです。

ところが、今から30年近く前の我が家で焼いていたバラ肉は、薄~くスライスされたものでした。
当時は焼肉用にカットされた肉をスーパーの店頭で見かけることもあまりありませんでしたから、炒め物用の肉を流用していたのだと思います。

当時の日本では、焼肉といえば男性が食べる料理で、「スタミナ料理」「精力料理」なんていわれていたのですね。
それが徐々に大衆化し、家庭の食卓にまで浸透していったのです。
今日では、どのスーパーでも焼肉用に厚めにスライスされた肉が売ってますね。

焼肉が大衆化していく過程、そこには在日コリアンの企業家、経営者たちの逞しい商売戦略があったのです。

 

(2013/02/19)