シリーズ

近世の祝福芸(4)「江戸にも大神楽が」 |よくわかる人権講座

大神楽といえば、三重県桑名市太夫などに本拠を置く伊勢大神楽とともに、東京都台東区などに本拠を置く江戸を主たる活動の場とする大神楽があります。

テレビのお正月番組などに登場するのは関東を拠点にする大神楽の方が多いかもしれません。 あの海老一染之助・染太郎も江戸の大神楽です。

この江戸を舞台に活躍した大神楽は、江戸時代の資料によれば尾張(愛知県)の熱田社神職の次男、三男が始めたとされる熱田派と伊勢(三重県)から江戸に来たという伊勢派の2派があり、市外を伊勢派、市中を熱田派がまわっていたとあります。

他にも関東で活動する大神楽に、水戸を根拠地とするものもいますが、この活躍は近代になってから。

江戸の大神楽は次第に宗教色を薄めていき、曲芸を中心としたものになっていきました。 そして、寄席や舞台でも演じるようになっていき、近代以降は曲芸に比重を置いた演芸色の強いものになっていきました。

(2013/11/25)