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おおさかじん(6) |なにわフィールドミュージアム

(6)本多忠朝の墓とシャモジ

本多忠朝(ほんだただとも)という大名の墓が天王寺区の一心寺にあります。
門を入って左手にある非常に大きな石塔ですから、すぐに見つけられると 思います。
このお墓にお参りすると、周囲にはいくつもシャモジが奉納されているのに気づきます。

この本多忠朝、徳川家康の重臣だった本多忠勝の次男で、関ヶ原の合戦で活躍し、5万石の領地を与えられていた武将でした。
しかし、慶長19年(1614)に大坂冬の陣に参戦した時、彼は酒を飲んでいたために不覚をとり、汚名を返上するために臨んだ大阪夏の陣で討ち死にをしてしまいます。
この忠朝は、酒による失敗を悔い、死後は酒で身を誤るものを助けようと誓って亡くなったのだそうです。

そのため、いまでも一心寺の忠朝の墓には断酒を祈願する人の参詣が絶えません。
墓前に奉納されたシャモジは酒断ちを祈願してお参りした人が奉納したものです。

お酒で何度か失敗したことのある私も、一心寺に行ったときには忠朝の墓前で手を合わせ「楽しく美味しいお酒が飲めるように」とお祈りしています。

 

(2013/01/07)