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近世の祝福芸(1)「獅子舞のルーツ」 |近世の祝福芸

目的はジェット・リーのアクションでした。 ハリウッドで活躍中のジェット・リーが主演した『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』があります。

これは、清朝末期に実在した武術家を主人公にしたシリーズものですが、その第3作「※天地争覇」の見せ場が、列強の思惑入り乱れる場面で主人公たちが獅子を演じながら闘う「獅子王大会」です。

私の目をひいたのは、中国でも日本と同じように2人がかりでの獅子舞が演じられているということでした。 そもそも、獅子舞というのは中国経由で日本に入ってきたものですから、それは当然なのですが、理屈でわかっていても目にしたときには驚きました。

獅子舞という芸能は、獅子という強い動物を登場させることで、その場の魔物を祓う意味があります。 だから、大きな寺院の法要や神社のお祭りでは、最初に登場して場を清める役割をしていました。 正月などに演じられるのも、1年間の災いを祓い、幸福を呼び寄せるためです。 今回は、こうした獅子舞のひとつについてお話ししていきます。

※「天地争覇」1993年に制作された香港のアクション映画、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ 天地風雲」の公開は2013年4月11日

(2013/11/25)