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総力戦は極端な物資統制で米やみそなど生活必需品が手に入らなくなると、人びとは組織を通して配給によってそれらを最小限度ですが、手に入れようとします。
それには、全戸加入が原則であった町会(町内会)に参加することが必要最低の条件となります。
世間の偏見によって自由奔放にみられがちな日雇い労働者ですが、町会加入者はおよそ1万5,000人、率にして、釜ヶ崎を構成する10町会を束ねる連合町会の68%に相当します。
つまり、構成員のほとんどが日雇い労働者で占められていた計算です。
それのみならず一軒の簡易宿に配給物資を獲得するために長く寝泊まりする日雇い労働者がそれほどまでに多かったということにもなります。
町会への加入はもちろん無償ではなく、町会費を支払わねばならないので、それなりの負担能力が求められます。
そのころの日雇い労働者の家計をみると、常勤の工場労働者とさほどかわらない収入があり、町会費もなんら問題なく支出されています。
こうして日雇い労働者の多くは総力戦を積極的に遂行する役割を担っていきました。
(2015/05/08)