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今から40数年前(1966年から1972年)、兵庫県で進められていた「不幸な子どもの生まれない運動」という行政施策がありました。
行政施策の名称に「不幸な子ども」という文言が堂々と名付けられていたのです。
現在の感覚からは「えぇっ!?」と思われるかもしれませんが、それでも40数年前の話です。
では、「不幸な子ども」とはどのような存在を指していたのでしょうか。
それは、「人口妊娠中絶胎児や流・死産児、遺伝性疾患をもつ児や精神障害児、身体障害児、保育に欠ける児」などと説明されており、中心は障害者でした。
さまざまな事業がおこなわれましたが、出生前診断の一つである「羊水診断」にかかる費用を県が負担することも始められていきます。
脳性マヒ者のグループである青い芝の会を始めとする人たちの闘いにより、費用の負担や「不幸な子どもの生まれない対策室」が廃止されることとなり、名称も「よい子を生みすこやかに育てる運動」に変更されることになりました。
人の生を他者が「不幸」と決めつけるとは、一体どういうことなのでしょうか。
(2014/11/04)