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伊勢や関東の他にも、江戸時代の資料を見ると三河(愛知県)でも大神楽がいたことがわかっています。 三河も大神楽についてはあまりよくわかっていないようですが、なかには獅子を舞わせるだけではなく、獅子頭をつけたままで芝居を演じる獅子芝居も演じられていたそうです。
得意の演目は歌舞伎「芦屋道満大内鑑」の※葛の葉子別れの名場面。 これは獅子が筆をくわえて「恋しくば尋ね来てみよ和泉なる、信太の森のうらみ葛の葉」の歌を上下から書くというものだったそうです。
神事としての獅子から娯楽性に重きを置くようになっていたのでしょうか。
いかつい獅子頭をつけた者が女形になって演技をする獅子芝居は評判だったようです。 習いたいというところも多く、三河国から獅子舞師を呼んで、滞在費や謝礼を払って獅子芝居を教わったところも尾張にはあったそうです。
※葛の葉:伝説上のキツネの名前。葛の葉狐(くずのはぎつね)、信太妻、信田妻(しのだづま)とも。また葛の葉を主人公とする人形浄瑠璃および歌舞伎の『芦屋道満大内鑑』(あしやどうまん おおうち かがみ)も通称「葛の葉」として知られています。
(2013/11/25)