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(2)「太鼓の町」 |太鼓で栄えた芦原橋

 芦原橋駅からリバティおおさかまでの道筋には太鼓をイメージしたモニュメントや看板が設置されています。バス停・電話ボックス・公園、思いがけないところにも太鼓が隠されています。

 これは、2004年に「浪速」地域の歴史と文化を発信していくことを目的としてつくられた人権・太鼓ロードです。

 なかでも、ひときわ目立っているのが公園です。この公園には「からくり時計」があり、毎日8時・9時・12時・15時・16時・18時には地元で活躍する太鼓集団「怒(いかり)」の演奏が流れます。演奏に合わせて人形が太鼓をたたく様子も見ることができます。

 ところで、この公園は全国的に知られた豪商、「太鼓屋又兵衛(たいこやまたべえ)」の屋敷跡です。
公園を囲む塀や門は屋敷をイメージしたデザインになっています。公園内は整備されて屋敷があった頃の雰囲気はあまり残っていませんが、公園内の南西角に塀で囲われたところをのぞいてみてください。

 道路からはお地蔵さんや鳥居が目立ちます。でもその向こう側をフェンス越しにのぞくと、いまは涸れてしまっている池があり、池の真ん中の島には祠(ほこら)があります。石組みや池などは、もしかしたら又兵衛の屋敷の庭にあったものかもしれません。

 それと、ここには見上げるような大きな楠(くすのき)があります。幹の太さや大きさからみれば、植えられてから数十年ということはないでしょう。年代からいえば、ここに住んでいた太鼓屋又兵衛が庭木として植えたのかもしれません。

(2012/11/28)